音楽コンクールの審査員をしてまいりました。
それぞれの想いがこもった演奏、、、
この日の為に気合を入れて自信満々で演奏できる子、
沢山練習したけれども緊張してなかなかうまく弾けなかった子、
いろんなドラマがありました。
自分も通ってきた道故に、頑張って演奏した方には皆に花丸をあげたい気持ちで一杯なんです。
ただコンクール審査員として、点数を出し講評していかなければいけません。
そんな私が審査員として、そして他の審査員の先生の方々と話した結果わかったことをベースに、
審査員の先生がどんな点について演奏を聞いているか、という視点をもってこの記事を仕上げていければと思います。
審査の結果、小学生から高校生まで様々な年代の生徒さんがいる中、賞を取る生徒さんたちには、とある共通点があることがわかりました。
そしてその中から大事だと思う以下の視点にて語っていければと思います。
ー技術力の安定
ー世界観の見せ方
ー時間の使い方
ー音の美しさ
●技術力の安定
これは誤解を生みたくないのですが、意図するところは、「完璧に演奏することに特化した技術力」ではありません。技術力について語る上で少々不安なのが、「音楽は決してそれだけに支配されてはいけない」という危機感があるからなのです。
コンクール審査員の先生は、どうしても粗探しをしているんではないかと思い、一音でもミスタッチをすると過小評価されると心配してしまうのですが、実はそんなことはありません。
先生方は、それよりもこの4−5分の演奏時間のために、生徒さんがどのように音楽に取り組んだのだろう、、、
と演奏を興味深く聞かれています。
その中で技術力の安定についてお話したいのですが、それは演奏の音楽的観点を邪魔しない技術の安定感があるかどうかについて意図しています。テクニックが難しい場所において、技術が聞こえてしまうのではなく、その難しさを感じさせない音楽が存在することが審査員の採点の要素となります。
●世界観の見せ方
審査員が惹かれる演奏というのは、間違えをしないように安全運転している演奏ではなく、表現が鮮やかな演奏です。それは、曲に対しての考え方、表現がはっきりと音に出ている演奏です。審査員は、間違いだらけだからと決めつけて聴く姿勢ではなく、その奏者がどれだけ考えや想いを持って仕上げてきているかをみています。それは演奏家として活動するのにも大切で、美しいものを追求して思い切って表現する演奏家に、聴衆は惹かれるものです。
●時間の使い方
より一層強く感じえた事が、時間の使い方です。
私たち音楽家は、時間を操る芸術家です。
私たちが普段、おしゃべりをする中でもずっと同じペースで話さないように、音楽にも「間」があります。
音楽のとっておきの魔法である、「時間軸」を素敵に使えていた生徒が賞を手にしていたように思えます。
●音の美しさ
コンクール審査員での経験を経て、講評で書くことが多かったのが、、、
フォルテの美しさです。
音色の豊富さについて、参加者にかなり大きな差がありました。
フォルテは強い音、大きい音で弾く、そのように認識され、頑張って力一杯の大きな音で演奏される方もいらっしゃいました。音のきつさについては、特に自分では気づけない場合も多いので、先生との二人三脚で美しい響きを目指して欲しいと伝えるしかありません。
ただ、それぞれの楽譜に書かれたダイナミクスについて、何故そこにフォルテが書いてあるのか、フォルテの中にも違いがあるのではないか、、、一つ一つのセンテンスに疑問を持ち、そのフレーズの中での音色作りに向き合われている生徒様の演奏は、最初の一音から違うものでした。
まとめ
2度のコンクール審査員を経ての記事でしたが、これからコンクールを受ける生徒様にとって少しでも参考となrれば幸いです。
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